アポロ350     ピアノクリーニング&消音ユニット&黒檀鍵盤に変更   神戸市Y様
入荷しました、先ずは外装のツキイタのハガレを細かくチェック
ビスの緩みも半端ではなくガタガタな状態、これでは雑音としてでまくり
こういうなんでもなく見えるところのツキイタが剥がれているのです
鍵盤押さえの磨きとブッシングクロスの張替えから始めています
磨き前の拍子木
ブッシングクロスの交換作業、このときブレーカーが落ち残ったのはこの写真2枚
しっかりとレンナーカシミヤのブッシングを使っています
象牙漂泊中
以外にクリーニングで結構いけるのではと
ツキイタが剥がれている上からはクリーニングは出来ないので
しっかり貼り付けてからですね

ひびと割れ・・・・
磨いた鍵盤押さえ
以外に艶が出て嬉しい
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2回目の漂泊作業

ユックリと漂白するのがコツ
バランス部分のブッシング交換
レンナー製(ドイツ)
磨き前の弦
弦は鳴る所、しっかりさびを落としもう一度綺麗に鳴らしたい
ピアノは外装も綺麗な方がいいに決まっているが
何より中身がしっかりしていてのことだ
外装のみをいくら磨いても音はよくはならないのだ
ハンマーファイリングの写真が消え出来上がったものを乗せるしかない
このファイリングも大きな音色を作り出す上で大きな役割を果たす
へたなファイルをするとそれこそ後が大変なのだ
ベテランの腕に掛かっている、今回はイノちゃん作
鍵盤上面ウッド部分のカビしみの削除
基本的に音には関係ないが、パネルを外せば一番見えるところ
綺麗な方がいい、しっかりサンディング
鍵盤から作業をとりおこなうと意外と他の汚れが
気になってくるので、最終的にはアクションも綺麗に仕上がる
磨き前の黒鍵
ナンバリングは漂白後の作業
一度ナンバリングまで消えるようにサンディング
弦~ピンの磨き綺麗になったアポロ350
しっかりとサビ止めを塗らないと、海に近いところなため錆びさせたくないので
黒檀鍵盤に変更です
鍵盤ナンバリング
アポロ350に消音ユニット取り付け
鍵盤センサー
チョコ
アポロツキイタハガレ修理
このように今ではどんなピアノにも消音が付けられる時代だ
昔はこんなのなかったし・・・・
ペダルセンサー取り付け
ペダル関係のクリーニングと底板ビスの交換
アポロアクションのペダルシフト系は実に手の込んでいるつくりだ
ヤマハ、カワイ、のペダル関係の造りと全く違う、シフトの柔らかさは実にふみ心地がいいのだ
複雑に作られたアポロシフト部分
1個1個手作りだということは
一目見て解る、
カビしみにより変色している
貼りかえられたペダル窓クロス
より、ふみ心地と雑音防止を考え、ペダル窓丈夫に当たる
部分にはより柔らかいクッションフェルトをセッティングしてみた
踏んだ~戻った感の感触はこれで大きく変わるだろう
消音ストップバー取り付け
消音バーを加工
音源ボックスの取り付け
アクション各部のビスの緩み等締め込み、
後は整調と整音
ここは微妙な所で調律師の腕を試される所だ、

消音ユニットもいまや卸業者がバンバン誰にでもおろすので
それはいいとしても、取り付け不良により、かなり不具合が
発生しているケース多し、ユニットは大丈夫なのにわずかな
取り付けが間違っていたりセット、設定確認を怠ったりと
実に初歩的なミスが相次ぐ、正確な取り付け業務が出来る
ところで頼みたいものだ。

売らんがためのばら撒きではこれは信用をなくしかねない
メーカーも取り付け実技を講習として持つべきだ
ブライドルテープの交換作業
音色の変更〜かなり硬い音の抜けの悪い感じの改善です
しみがダンパーフェルトを干渉しています
ピアノにとって音色のチューニングはもっとも効果を体感できるひとつの方法だ、その体感をさらに効果的に気持ちよくフィールをコントロール
出来るのがタッチ(アフタータッチ)と呼ばれるものだ、もともとピアノにはボリューム調整の装置などなく指先での強弱により人間がコントロールする所の楽器だ、ピアノの音量最高フルボリュームは最高音88キーと最低音1のキーの音量でしかない、そこで整音という言葉が出てくるわけだが
これが調律師として行き着くところのない分野となる、音の中にも柔らか固めピュア、ブリリアント、クリーンといろんな言い回しでの表現がある
どれを使うかはピアノ本体の特性を十分見極めてからでないと怖くてさらることさえ出来ない所だ、弾き手の好みの音にするのが調律師としての仕事。
今回アポロ350、見に行った現状では音は薄く硬い、延びもない、そこらをどのように料理する、所に整音の究極が来る、
ナベサンは部屋の大きさと、弾き手の楽譜等を見てきているために、練習としても気持ちよく長時間弾いても耳が痛くならぬようクリーンで
柔らかめを選択、ピアノ本体は消音ユニットを搭載している、そのため整調も消音ユニット取り付け整調となる、
ゆえに生音は綺麗に響く、という所に重点をおき、大幅な変更となった、2日前からハンマー形状を見ながら調律を繰り返し細いピッカー針で音を作る作業が始まっている、とてもナーバスな世界かもしれない、ピリピリしてるのが伝わってくる。第一整音完了した所で1個1個ハンマーハラ~肩を指でかくにんしながら
音造りに入っていくが、常に88音のバランスを保ちつつの作業だ、2時間でタイムアップ、
明日はまた作業再開らしい、ボリュームを上げるのではなく広げる方法を取る
整音作業ナベサンのお岩さんのような「いち、に、さン、し・・・」という声がずっと一定間隔で響く、おなじ数を均等に部分部分分けて打っているので、このときには声はかけられない。ナーバスの瞬間だ
ハイテクの結晶ですね〜今は昔と違い便利になったもんだ
動きの悪い所のセンターピンの交換作業と
各部フレンジの緩み締めなおし〜ハンマー弦あわせ作業
虫食いの酷い所のパンチング交換
黒檀鍵盤に変更
鍵盤上面ナラシ、定規を当てるとこの様に凸凹しているところを直す、この作業はタッチの根源でもある
f凸凹が直った鍵盤上面
整調はしつこく何度も繰り返す
音色は柔らかさを大きく加え、レスポンスの向上と
タッチの変更、大きく変化したアポロ350
ナベサンの好みで作った音なので、さあいかに!
いろんな曲にも対応できるよう、長時間弾きこんでも疲れない
そして音抜けがいい



出来上がりごくごく近し〜〜〜
残すはパネル一枚、と、思いきや!これがまたまたえらいこつに・・・・・
ぱっくりと剥がれかけた前パネルのツキイタ〜〜〜
いんや〜まいったっぺな