Mercur Berlin  軽井沢追分O様
メルキュアーファブリックス1876〜1929      製造番号から推測すると1925年製
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入荷しました、つり籠、ピアノ本体の年数はいまだもう少しばらせばわかる可能性あり
アクションがない部分あり
一度数十年前にオーバーホールしています
フレームの折れ発見しまた、リベットが打ち込まれ
補修されています
ダンパーのこのワイアーがなんと全部逆についている
大変だ〜〜〜〜
全部ですよ全部・・・・・・・
なぜか部品がない1,2番のウイッペンとその上ハンマーまで部品欠損
このワイアーが全部逆についています大変です
フレーム折れの箇所
当然のように鼠害、この年代はお約束事かも
屋根の一部も欠損
ヨーロッパではこのような木を使った
綺麗なピアノが当時たくさんで回りました
前パネルにこのような飾りデコを施してあるのも
ヨーロッパならではですね
弦の張力を均等に緩めていきます
鼠と虫に食われ散々な状態
これから修理を施しています
とにかく先ず掃除ですね
とりあえず掃除
アクションの分解作業に入ります
恐らくやや仕様が違うのではという箇所続出
と湿気等でダメなピン多数確認
須藤氏畑で取れたトマト持参
ここにもありえないボルトが打ち込まれている
絶対そんなわけないボルトが根元まで打ち込まれている
抜くのに丸一日かけても抜けない。
拍子木が接着され外れないために
スクレーパーで剥がすことに、その下から棚板をはずす
ビスが出現、
おかしいな?????と作業始める前から首をかしげるなべさん
本能的に何か感じとるものがある
これ全部ビス同じサイズを押し込んだために
そりゃもう大変なのよ外れない回らない
全てがこのビスということはありえない
向かって左側の親板が内側よりピシーっとひび割れ
やはり1本外れず、鉄鋼用ドリルで揉むことに
さてと、抜けるか!
みんなで力をあわせフレームをおろします
海老のマークは関係ありませんおせんべいの缶ですので
フレーム塗装、スタインウエイの純正の金粉を使います
完全に分解されたアクション
響板割れ修理
ふるい響板ニスを落とします
ここのない部品を造ります
自作アクション
オリジナルはすでにまったくありませんので
造ります、

マニアならではの創作意欲をわきたてられますね
同型寸法を正確に測り、同じ部材で造ります
わずかな寸法の違い
が大変な誤差を生みますので
気が抜けません
ピアピットではない部品はこうして造ります
直しに不可能はない!なければつくればいい。。。。。これ座右の銘
こういうピアノでやってはいけないのは
中途半端な直し、中途半端だからまったく功を奏さない、徹底的にやり、2度とピアピットへ来ないように直す、完全に趣味の世界に突入マニアな世界だ、
見てくださいこの完成度の高さ手造りです
響板もわれも治り綺麗に新品同様です
後はピン板ですねー
ピン板修理、
フレームを元の位置に戻し弦圧調整を施し
昔のピアノの弦ワイアーの番手を1900年前の戻す
高張力ピアノではなく割合細い弦が使用されている
そういうフレーム構造を持つため高張力をかけるとフレーム響板
に負担が来るためにその年代のオリジナル張力を再現します
弦張り、ゲージを落としライトゲージ仕様
そうでないとこの年代のピアノは鳴ってくれません
やわい部分があるために計算して
弦を張ります
ペダルは直さないといけません
下の写真、は世界最大のオルゴール
円盤の直径が90〜100センチ近くあるアンティツクオルゴール
世界にも4台しかなくドイツから輸入
完動品です
たて275センチという超度級物

博物館でもお目にかかることが出来ない代物
板は50枚ぐらいあるそうで
売り物らしいです、
なべさん買わないかと誘われたらしいが、あまりにもでかいため断念

オルゴールの最大級物
売りたいそうです、
金額は応談らしいです
ペダルも何とか修理完了
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バランスピンの交換
フロントピンは錆とり
パンチング〜クロスふぇるとは
全て新品に交換
アクションが一番の難関
フレーム折れもあり直って入るのですが
新品の弦を張ることによりゼロのテンションから
一気に15トンもの張力に引き上げられていきます
慎重にテンションをかけていきます
部品も製作完了、後はハンマー系アクション系を
せっかくの外装汚いままではこの木目すら生きてきません、超微粒子コンパウンドを仕入れ
磨く!
光り始めるとやはりドキレイだ!
この木目は実に気品ある、日本人の感性の組み合わせではなく、ヨーロッパ人の木目くみあわせだ
少しでも綺麗な状態であれと一日バフガケ
鍵盤木口の交換作業。全く日本のピアノの理論が構造的には当てはまるが本家ヨーロッパ
には全く当てはまらないというか、部品自体の寸法すら違うのだ、これ当たり前!といわれればそうかもしれない、ついヤマハカワイ規格が刷り込まれているもんだから何かと首を傾げてしまうが
そんなものだメルキュアーピアノで私たちは多くの勉強もさせてもらっている

象牙接着
鍵穴もこのようにさび付き
錆をワイアーブラシで落とし錆び止め
早く音だししたい
ダンパー付けで困ったぞ〜と富田氏
現代のピアノ構造をそのままをイメージ、当然部品の運動量が足りないし
この位置にダンパー普通付いていないから・・・
そこからの運動計算しなおしと、まさにレバーの運動とワイアーの動きが
実に奇妙な動きを繰り返すために悩み一日この体制にて終了
明日に続く
フェルトを数種類もち対処を考えよう
2回目のフェルト張替え一度目は失敗に終わる
もう一度全てを張り替えてチャレンジ
ブッシング系はやはりレンナー、ドイツ製のクロスが
一番よし
このピアノの最大の欠点はなんと調律するときに木エッジすら入る場所がない
当然ロングミュートなどかませることは出来ないので
上部についているダンパーのレールをはずして調律するしか方法はない
調律師に厳しいピアノだ、